母の十徳(4)教授・教誡・與業
今回が最後の「母の十徳」になります。
今回は第八、九、十、の
「教授」「教誡」「與業」についてです。
「八に教授と名く 善巧方便(ぜんぎょうほうべん)を以て子を導引(どういん)するが故に」
教授とは教えを授けるという意味です。
これには年齢に応じた導き方がありますが、
まずは身の回りの整理整頓を教えてあげてください。
家の中が散乱していると、子どもがそれを受け継ぎ、
頭の中も整理できない子どもに育ってしまいます。
もう一つは人間関係についてです。人間は一人では生きていけません。
社会に適合する力を養うことが必要ですから、お母さん自身が人の悪口を言わずに、
子どもにやさしい言葉をかけてあげながら、人を温かく見守る気持ちを
植え付けてあげることが大切です。
「九に教誡と名く 善き言辞を以て衆悪を離れしむるが故に」
教誡とは戒めることです。
これは叱ることではなく、愛情をもって教えることです。
幼児期から児童期には
将来社会に出るためのルールを教えてあげてください。
その際には子どもを否定する言葉を使ってはいけません。
戒めることは子どもの弱点をつくことですから、
消極的やネガティブな性格にならないように励ましを与えながら、
子ども自身が元気や勇気を出すように戒めることが大切です。
「十に與業と名く 能く家業を以て子に付属するが故に」
與業とは仕事を与えることです。
子どもに何でもいいですので仕事を与えましょう。
そしてやり遂げたら感謝の言葉を伝え、褒めてあげましょう。
そうすることで、子ども自身に「お母さんの役に立てた」という喜びが生まれるとともに、
達成感や充実感を味わうことができます。
更には仕事をやり遂げていくという意識が芽生えていきます。