母の十徳(1)大地

仏教に子育てに関する教えが説かれていることは
意外に思われる方も多いかもしれません。

ですが、お釈迦さまは当時のインドの人びとに
「今を生きる智慧」を説かれたのですから、
生きるうえでの具体的な問題に関して
普遍的な示唆を残されていることもうなずけます。

樹陰一話では、今回から「母の十徳」について
シリーズで配信いたします。
「母の十徳」は『大乗本生心地観経』の
「報恩品」に説かれている教えです。

初回は「大地」について。
「一に大地と名く 母の胎中を所依と為すが故に」

お母さんは十月十日、赤ちゃんをおなかに宿します。
赤ちゃんはお母さんから栄養をもらって育ちます。
それは野菜や果物が大地から栄養をもらって育つようなもので、
お母さんの「大地」としての徳をたたえた言葉です。

赤ちゃんにとって、お母さんは大地なのですから、
肉体的にも、精神的にも、お母さんのコンディションは
赤ちゃんに大きく影響します。
大切なのは「安心感を供給する」こと。
妊娠期はできるだけ心を落ち着けて
楽しい時間を過ごすようにいたしましょう。

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