母の十徳(2)能生・能正・養育

前回から「母の十徳」についてシリーズで配信しています。

今回は第二、三、四の
能生のうしょう」「能正のうしょう」「 養育 よういく」についてです。

「二に能生のうしょうなづく 衆苦しゅくを経歴してく生ずるが故に」
衆苦とは、さまざまな苦しみのことです。
妊娠するとつわりや、立つにも歩くにも苦しかったりします。
出産の苦しみはその最たるものでしょう。
赤ちゃんが生まれるまでには、お母さんのこういった苦しみがあり、
お釈迦さまはそれをお母さんの偉大な徳であるとおっしゃっています。

「三に能正のうしょうなづく つねに母の手をもつ五根ごこんおさむるが故に」
五根とは、目・鼻・耳・舌・身を指します。
お母さんは十月十日(約40週)、赤ちゃんをおなかに宿します。
その間に、赤ちゃんの脳や手足、臓器などが形作られていきます。
おなかの中で赤ちゃんの身体機能を育むことも、お母さんの偉大な徳の一つなのです。

「四に養育よういくなづく 四時しじしたがひて長養ちょうようするが故に」
四時とは、春夏秋冬のことです。
お母さんは常に赤ちゃんに気を配り、寒い時は寒くないように、
暑い時は暑くないようにしてあげます。
赤ちゃんが健やかに育つように世話をすることも、
お母さんの偉大な徳であるとおっしゃっています。